投稿

12月, 2020の投稿を表示しています

平家一のイケメン、唯一の弱点?!【平維盛まんが 3】 『建礼門院右京大夫集』

イメージ
まるで光源氏…そんな完璧貴公子・平維盛にも、意外な弱点がありました。 <『建礼門院右京大夫集』95~98・187~192・215歌詞書より>  ※漫画はえこぶんこが脚色しています。    ◆解説目次◆ ・登場人物 ・建礼門院右京大夫集 ・維盛・和歌苦手エピソード その1 ・維盛・和歌苦手エピソード その2   登場人物 平維盛 たいらのこれもり 平清盛の長男[重盛]の長男。中宮権亮。(近衛少将兼任) 右京大夫 うきょうのだいぶ 中宮・徳子に仕えた女房。藤原伊行の娘。 藤原隆房 ふじわらのたかふさ 藤原隆季の長男。平清盛の娘婿。 建礼門院右京大夫集 右京大夫 は、中宮・徳子に仕えた女房です。 父の 藤原伊行 は、三蹟の一人・藤原行成の六代目の子孫で、現存最古の源氏物語の注釈書 『源氏物語釈』 を著した文学者。 母は箏の名手・ 夕霧 。 父母の才能を受け継いだ右京大夫は、宮廷女房として活躍しました。 右京大夫が宮仕えをしていた時期(1173~1178年)は、ちょうど、平家の栄華の絶頂期にあたります。 彼女の歌集 『建礼門院右京大夫集』 には、中宮の周りで華やぐ、平家の公達との交流が活き活きと描かれています。 さて、そんな『建礼門院右京大夫集』に描かれる維盛の姿は、『平家物語』の美青年キャラとはちょっと違う、意外な一面。 類まれなる美貌の持ち主で、作法も優美、舞も笛も朗詠も難なくこなす、完璧貴公子。 そんな彼が、実は・・・ 和歌が苦手だった。 なにその可愛いエピソード! ちょっと管理人の維盛愛が画面からダダ洩れしていますが、原作の維盛もこんな感じなんですよ。 以下、原文。 権亮は、「歌もえ詠まぬ者はいかに」といはれしを、なほ責められて 【現代語訳】 権亮(維盛)は、「私のように歌も詠めない者はどうしよう」と言われましたが、なおも責めたてられて… (95~98歌詞書より) (維盛の言葉) 「あいなのさかしらや。さるはかやうのことも、つきなき身には、言葉もなきを」 【現代語訳】 「よけいなおせっかいですね。とはいっても、このような歌を詠むことも相応しくない私には、何て返事をしたらいいのか、わからないのですが…」 (187~192歌詞書より)
【おすすめ記事】

維盛中宮権亮 維盛右京大夫集 富士川の戦い 倶利伽羅峠 平家山門連署 京都防衛戦線 資盛の都落ち 維盛の都落ち
【記事一覧】他のお話はこちらからどうぞ!

【平維盛の生涯】
■1【一四歳】武器は作法と己の美貌!|玉葉
■2【一八歳】美しすぎる青海波舞!|平家物語
■3【一九歳】唯一の弱点?|建礼門院右京大夫集
■4【二一歳】無文の太刀と重盛の病|平家物語
■5【二一歳】熊野詣と重盛の他界|平家物語
■6【二二歳】以仁王の挙兵|玉葉
■7【二二歳】富士川の戦い-前|山槐記・玉葉
■8【二二歳】富士川の戦い-中|山槐記・玉葉
■9【二二歳】富士川の戦い-後|山槐記・玉葉
■10【二二歳】近江の戦い|玉葉
■11【二三歳】墨俣川の戦い|玉葉・吉記
■12【二五歳】倶利伽羅峠の戦い-前|平家物語
■13【二五歳】倶利伽羅峠の戦い-後|源平盛衰記
■14【二五歳】篠原の戦いと山門連署|平家物語
■15【二五歳】最後の京都防衛戦線|吉記
■16【二五歳】都落ち[資盛と後白河院]|愚管抄
■17【二五歳】都落ち[忠清と貞能]|平家物語
■18【二五歳】都落ち[維盛と新大納言]|平家物語
■19【二五歳】福原落ち-前編|平家物語
■20【二五歳】福原落ち-後編|平家物語
■21【二五歳】大宰府、月夜の歌会|平家物語
■22【二五歳】大宰府落ち-前編|平家物語
■23【二五歳】大宰府落ち-後編|平家物語
■24【二五歳】貞能の離脱|吾妻鏡
■25【二五歳】水島の戦い|源平盛衰記
■26【二六歳】木曽義仲との和平交渉|玉葉
■27【二六歳】福原奪還と維盛の病|平家物語
■28【二六歳】三草山の戦い-前編|平家物語
■29【二六歳】三草山の戦い-後編|平家物語
■30【二六歳】一の谷の戦い(1)|平家物語